bP8 氷結怪獣カルダノス

 今回の怪獣、カルダノスのモチーフは、映画化もされた人気コミック「DEATH NOTE」に登場する
死神レムです。言われてみれば、「ああ!」と思ってもらえるんじゃないかと思います。僕はレムが
出てくる前からジャンプで「DEATH NOTE」を、「なんか難しいことやってるなあ」と思いながら読ん
でいたのですが、レムが出てきた時点で、それが「この漫画はスゴイ!」に変わりました。あのリュ
ーク
という強烈なキャラクターの後に、それに引けを取らない独自の魅力をもち、かつ同様のニュア
ンスを持った「第二の死神」を創造することは、例えて言うなら、ウルトラマンの後にウルトラセ
ブン
を生み出すことに匹敵するぐらい(ちょっと違うか?)困難な作業です。 レムがもしあの形態
でなかったら、例えばリュークと似たり寄ったりだったり、逆にまるで雰囲気の違う姿形であったと
したら、僕は死神界の存在なんていう突飛な前提をすんなりと受け入れ、「DEATH NOTE」のスト
ーリーにのめり込むことは出来なかったと思います。レムの優れた形態が、物語に迫真性を与え
たと言えます。
 この、僕の死神レムに対する尊敬の念がこの怪獣を生みました。体は同一パターンの反復で面
白くも何ともありませんから、カルダノスのアイデンティティはその顔に尽きます。爬虫類そのもの
の顔は野性味に溢れ、一方で、兜をかぶったような頭部形態がある種の高貴さを湛えています。
レムという優れたデザインに強い影響を受けながらも、また違った価値を創造できたと自分では
思っているのですが。