bW 砂嵐怪獣ダクトン

 ウルトラセブン第20話には、ギラドラスとい
う怪獣が登場します。この怪獣の着ぐるみは
少し変わっていて、演技者が立てひざをつい
て演技する
ようにできています。(図1)この
事実をある本で知った僕は、「そんなのもア
リか!」と驚きました。そして自分もギラドラス
の体型の怪獣を創り出したいと思い、早速こ
のダクトンという怪獣を描いてみたわけです。
しかし、この怪獣を描いた時点では、僕は「
演技者が立てひざをついて入る」という本の
情報のみを頼りに描いたので、実は実際のギ
ラドラスの体型とは大きく異なっています。ダ
クトンのデザインと図1を見比べてもらえば分
かるのですが、ギラドラスの着ぐるみは背中

から尻尾の付け根にあたる人の入っていない部分が異様にボリュームをつけて作られています。
そのため、演技者の脚が入っている部分が怪獣の前脚に見え、全体のシルエットとしては四脚の
怪獣になっています。それに対し、ダクトンは跪いた人間の体幹に尻尾を付けただけなので、どち
らかというと二足歩行で、手の無い怪獣という印象が強いです。その違いを雑誌に載っていたギ
ラドラスのガレージキットを見て気づいた僕は、当然ダクトンの体型にも手直しをしようとしました。
しかし、この怪獣は元々芋虫をモチーフに「手足が無くても違和感がない」というのを目指して描い
たものだったので恐竜のような体型にすることにメリットが無く、さらにボリュームをつけると無駄に
太っているようで逆にかっこ悪くなったので、結局描き直しませんでした。

図1 ギラドラスの体型