どうでしょうか、これ？僕は結構気に入ってるんですが。人が見て何と思うかはちょっとわから
ない。まあ、別にいいんですが。この怪獣、何が良いかっていうと顔が三つあるんです。絵では
分かりづらいですが三つ目の顔は左の健康骨あたりに付いている感じです。三つの顔を方向・
高さ共に少しずつズラして一本の体幹のなかにバランス良く収めるというアイディアはありそうで
なかったと思います。顔が複数付いてると「奇形」のイメージになりがちなのですが、ビビジランス
はそれを感じさせず、むしろ何だか二人羽織りみたいでユーモラスに見えるところが何とも言え
ない魅力です。
　モチーフはなんと、「鯛の生け作り」です。刺身というものを基本的に食べない僕は、旅番組な
んかで宿の食事として魚の生け作りが出てくると、「美味しそう！」ではなく「うわぁ、凄いことにな
ってる」といつも思います。だから、その「凄いことになってる」感を怪獣として表現してみたんです
が、いかがでしょう。顔は当然鯛なんですが、ほっかむりをしているせいでちょっとゴリラっぽくて、
単なる魚の顔の印象とは違っています。二段目の顔なんか僕にはハマコーさんに見えます。極
めつけは、文字通りの「死んだ魚のような目」でしょう。